昔々の話
昔々ある所に、ブラキオサウルスのお爺さんとブラキオサウルスのお婆さんが住んでいました。ある日、お爺さんは山に焚き木を採りに、お婆さんは川に洗濯に行っていました。
お婆さんが川で洗濯をしていると川上の方から大きな卵が、ドンブラコドンブラコと流れてくるではありませんか!
「あれ、まあ!なんて大きな卵でしょう。持って帰ってお爺さんと一緒にいただきましょう。」
お婆さんは、大きな卵を抱えて家へ帰りました。
「ただいま。」
帰ってきたお爺さんは大きな卵を見てビックリ!
「なんと!これは驚いた。こんな大きな卵を見るのは初めてじゃ。それにしても美味しそうじゃのう。婆さんや早速いただきましょう。」
お婆さんは、大きな卵を足で割ろうとしました。すると、バリバリ!!卵はひとりでに割れて、中から元気なティラノサウルスが飛び出して来ました。
お爺さんとお婆さんは大変驚きましたが、2人には子供がいなかったため大変喜びました。
ティラノサウルはスクスクと育っていきました。
ある日、都から来たフタバサウルスが鬼の話をしました。
「鬼ヶ島から悪い鬼がやって来て家を壊して宝を奪ったり人々に乱暴して都を荒しまわるので皆困っています。」
話を聞いたティラノサウルは
「悪い鬼達だ!俺が退治してやる!」
お爺さんとお婆さんの作った力のつくきびだんごを持って鬼ヶ島に出発しました。
途中で
「お腰に付けたきびだんご1つ私に下さいな。」と言ってきた、
エウオプロケファルス
ステゴサウルス
を家来に連れて行きました。
ティラノサウルスはやがて鬼ヶ島に渡る浜辺に辿り着きました。そこで近くの漁師に頼んで船を借りました。
船が鬼ヶ島に着くとみんなで力を合わせて門に突撃しました。すると、門は簡単に壊れました。
「敵はティラノサウルスとトリケラトプス、エウオプロケファルス、ステゴサウルスだけだ。やっつけてしまえ!」
と鬼の大将が叫ぶと鬼達が一斉に向かってきました。
しかし、力のつくきびだんごを食べた4体に敵う者はいませんでした。
トラックに一杯の宝物を積むと、お爺さんとお婆さんの待つ家に帰って行きました。
めでたしめでたし…
恐竜が好きな息子に読んだ昔話でした。